系統的脱感作法とは ~自宅に居ながら対人恐怖症を克服~

脳に電気が走る

系統的脱感作法( けいとうてきだつかんさほう )とは

「逆制止の原理」を利用した行動療法の1つです。
逆制止とは「不安や恐怖」と同時には起こらない「リラックスした状態」だと不安や恐怖が軽くなったり無くなるというものです。

対人恐怖症の人が特定の場面で症状が出るのは、
これまでの経験によって悪い条件付けがされていると考えられます。
古典的条件付けというものですが、「パブロフの犬」といえば分かる人も多いと思います。
「パブロフの犬」とは犬にエサを与える時に毎回ベルを鳴らしてから与えていると、いつしかベルを鳴らすだけで唾液が出てくるようになるという実験です。

対人恐怖症の症状で例えれば「字を書く所を人に見られていると手が震えてしまう」という症状の場合、「字を書く」という普段は何でもない行為が、「人に見られる」という条件を満たすと「手が震える」という症状が出るように刷り込まれている状態です。

これを系統的脱感作法を使って
「人に見られる」と「リラックスする」という「良い条件付け」を新しく作って「悪い条件付け」のつながりを弱めることが出来ます。

悪い条件付け

字を書く

人に見られる

手が震える

良い条件付け

字を書く

人に見られる

リラックス

系統的脱感作法のいい所・悪い所

いい所

  • 自宅で出来る
  • 手法が身に付くので再発しにくい

悪い所

  • 事前に自律訓練法などの習得が必要
  • 実際の場面をイメージできる想像力が必要

系統的脱感作法の準備

系統的脱感作法を行うには、いつでも自分の意志でリラックスした状態になる必要があります。
リラックス状態になるための方法はいくつかあります。

  • 主張反応
  • 運動反応
  • 漸進的筋弛緩法
  • 自律訓練法
  • 呼吸法
  • 自己弛緩法
  • 催眠療法
  • イメージ訓練法

など

この中でも一般的なのが自律訓練法です。

自律訓練法をマスターする

自律訓練法をマスターすると言っても全て習得する必要はありません。
第2公式の「温かさを感じる」までをマスターすれば十分です。
自律訓練法とは ~誰でも簡単に出来るようになるコツ~に詳しい方法が書いてあるので参考にしてみて下さい。

表を作る

不安や恐怖を感じる場面を10個ほど挙げます。
そして不安や恐怖が最も弱いものを0、最も強いものを100として点数をつけて表を作ります。


場面点数
大勢の人の前でスピーチをする100
ホームパーティーに行く90
初対面の人と食事をする80
初対面の人と二人きりで話す70
知り合いと二人きりで話す60
知らない人に道を尋ねる50
知らない人に時間を聞く40
人前で字を書く30
店員に話しかける20
知っている人と話す10

系統的脱感作法のやり方

1. イスに座るか仰向けに寝る
2. 自律訓練法でリラックス状態になる
3. 表で1番点数が低い場面をイメージする
4. 不安や恐怖を感じたら、もう一度自律訓練法でリラックス状態になる
5. 不安や恐怖を感じなくなるまでこれを繰り返す
6. 表の1つ上の場面にチャレンジする

うまくイメージするコツ

1つずつ丁寧にイメージする。
例えば「知らない人に道を尋ねる」場合だと
道路を歩く感触や周りの音、さらには匂いや相手の容姿などを1つずつ丁寧にイメージします。

また、実際に不安や恐怖を体験した時の姿勢や動作をしてみるのも効果的です。

うまく行かなかった場合

不安や恐怖を感じる場面をイメージした後に自律訓練法を行っても
不安や恐怖が下がらない場合は一旦中断しましょう。

最初に自律訓練法でリラックス状態になりきれていなかった可能性があるので、
もう少し自律訓練法の練習をしましょう。

また、表を作る時に想定した点数と実際の点数が合っていなかった可能性があるので、表の点数を付け直す事も考えます。

さらに、1つ上の場面にチャレンジした時に点数が急に上がりすぎた可能性があるので、
失敗した場面と1つ下の場面との間にもう1つ別の場面を作りましょう。

現実脱感作法に挑戦

イメージを使った系統的脱感作法で表の100点の場面でも不安や恐怖を克服できたと感じれば、
次は不安や恐怖を実際に体験する「現実脱感作法」に挑戦してみましょう。

現実脱感作法も基本的な方法は同じです。
違うのは実際に不安や恐怖を感じる場所に行くことです。

例えば表の「店員に話しかける」を実行する場合、実際にスーパーに行きます。
そして店員に話しかける事を想像します。
あるいは実際に話しかけます。
すると不安や恐怖を感じます。
そうしたら自律訓練法を使ってリラックス状態になります。
あとは、イメージを使った系統的脱感作法と同じです。

ただし、イメージを使った場合と違い実際に不安や恐怖を感じる場面を作り出すのが難しい物もあると思います。
また、外ではリラックス状態になるのが難しいので、まずは外でも自律訓練法を使っていつでもリラックス状態になれる練習をしてから現実脱感作法に望むのがいいでしょう。

この様にして現実脱感作法を繰り返していくと対人恐怖症の克服に近づけます。


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